教諭、生徒の父を脅迫容疑 被差別部落中傷の内容 福岡 アトム東京法律事務所

2010年2月22日7時0分
被差別部落を中傷し、「死んでしまえ」などと脅迫する内容の手紙を勤務する高校の生徒の父親に送りつけたとして、福岡県警久留米署は21日、同県久留米市国分町、市立高校教諭吉田威容疑者(37)を脅迫と偽計業務妨害容疑で逮捕した。「私のしたことに間違いありません」と容疑を認めている、と同署は説明している。吉田容疑者は英語教諭で、同校で生徒指導を担当していた。

 発表によると、吉田容疑者は昨年9月7日ごろから同10月3日までの間に計6回、勤務する市立高校の男子生徒の父親の自宅あてに、同県久留米市柳川市八女市から中傷、脅迫する内容の封書1通とはがき5通を送りつけた疑いがある。また、封書と手紙の送付を受けて市教育長や校長らに対策会議を計20回開かせるなど、通常業務の遂行を妨げた疑いがある。

 封書とはがきは、同校に届いたアンケート用はがきや封筒を再利用したもので、差出人には同校の別の教諭の住所と名前が書かれていたり、同校の名前がわかる封筒が使われていたりしていた。父親が同署に相談し、被害届を出したことから発覚。同署は手紙にあった指紋などから吉田容疑者を突き止めたという。

 21日午前4時から会見した久留米市教育委員会によると、父親は届いた封書とはがきを持って市教委に相談に訪れた。内容は手書きやパソコンで「棺おけはすぐそこ」「三途(さんず)の川を渡れ」などと書かれていた。また、関係者によると、被差別部落を中傷する記述もあったといい、父親は部落解放同盟に相談していた。父親は脅迫を受けて体調を崩し、数週間仕事を休んだという。
(引用元:http://www.asahi.com/national/update/0222/SEB201002220002.html)


脅迫罪は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

脅迫罪が成立するためには、一般に人を畏怖させるに必要な害悪の告知が必要です。端的に「ぶっ殺す」と言えば、行為者が相手を殺すという害悪を告知しているので脅迫が成立することは明らかです。

記事では、「死んでしまえ」「棺おけはすぐそこ」「三途(さんず)の川を渡れ」などの文言が挙げられていますが、その文言から害を加えられると感じ、一般人を畏怖させる内容であるかが問題です。

手紙の全体的な内容などを考慮して暗に害悪の告知があると認められる場合を除いて、脅迫と認定することは困難でしょう。

もっとも、都道府県によっては、条例で悪意の感情を充足する目的で、嫌悪の情を催させるような物を送付して名誉を害し、不安を覚えさせる行為を刑罰の対象としていますので、条例のある東京都内等での行為であれば条例違反になり得ます。

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