映画「天皇伝説」の渡辺監督を書類送検 無断でポスター掲示で略式命令 アトム東京法律事務所

2月18日12時33分配信 産経新聞
 皇室をテーマにした映画「天皇伝説」などを撮った映画監督の渡辺文樹氏(57)が、電柱に映画のポスターを無断で掲示したとして、栃木県警に宇都宮市屋外広告条例違反容疑で書類送検されていたことが17日、分かった。渡辺氏は先月略式起訴され、宇都宮簡裁から罰金20万円の略式命令を1月28日付で受けた。まだ納付していないという。

 県警などによると、渡辺氏は昨年7月2日午後3時半ごろ、宇都宮市内の電柱に、市長の許可を受けず、「渡辺文樹監督作品ノモンハン」と印刷された映画のポスターを掲示した疑いで書類送検された。

 渡辺氏は平成20年、「天皇伝説」のポスターを無許可で張ったとして、警視庁公安部に軽犯罪法違反の現行犯で逮捕、起訴猶予処分となったほか、昨年12月、石川県でも無許可でポスターを張ったとして同県屋外広告物条例違反容疑で逮捕されたが、金沢地検は不起訴処分としている。

(引用元:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100218-00000551-san-soci


 この条例違反は30万円以下の罰金に処せられるようです。

 屋外広告条例は、風致美観の維持を目的として制定されています。

 一方、容疑者の映画監督が、自ら製作した映画のポスターを掲示することは、思想や表現の自由を根拠に認められます。

 治める者と治められる者との同一性を要求する民主主義社会ではこうした表現の自由は尊重される必要があり、その制約は必要最小限度にとどめなくてはなりません。

 掲示の禁止される地域、禁止される物件等が明確にされておらず、予測可能性がなかったり、一律全面禁止というような扱いであれば、条例の目的が正しくとも、その手段として行き過ぎた規制だと言えると考えられます。

 罪自体が成立したとしても、検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる(刑事訴訟法247条)ので、東京や石川県では不起訴処分としたのでしょう。

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