詐欺罪4 無銭飲食   アトム東京弁護士

● 無銭飲食は詐欺?

お金がないのに飲食店でごはんを食べたあと、そのまま帰ってしまうような行為はどういう犯罪になるかわかりますか?

実は、これは最初から無銭飲食をするつもりでご飯を食べたか、
食べたあとにお金がないことに気付いたか、の違いで別の犯罪になります。

最初から無銭飲食をするつもりで食べ物を食べた場合には、その時点で詐欺罪が成立します。
お金があるふりをしたという詐欺行為によって飲食店の相手方をだまし、食べ物を提供させているからです。

しかし、食べた後にお金がないことに気付いた場合、店員のスキをみてそっと逃げたような場合には、
利益窃盗として不可罰となります。
犯罪成立には「故意」が必要ですが、後者の場合、注文の時点では無銭飲食してやろう、という「故意」がありません。
ですから、客観的な行為として同じことをしていても、詐欺罪にはならないのです。

では、後者の場合であっても、何らかの偽計手段によって支払いを免れた場合にはどうなるでしょうか。

当然ですが、飲食店で食べ物を食べればその代金を支払う債務が生じますね。
ここで、店員に嘘を言って、「ちょっと外でたばこを吸いたい」とか「ちょっと外で電話をする」などの嘘を言ってそのまま逃走してしまった場合は、実は詐欺罪になりません。

しかし、「後で必ず払う」などと言った場合に詐欺罪が成立することがありえます。

この違いは何か、というと、支払い請求を猶予するという被害者の「処分行為」に向けた詐欺行為があるかどうか、という点です。

外でたばこを吸うことを店員が許可したとしても、それは債務支払いを猶予する意思ではありません。
しかし、「後で必ず払う」ことを店員が許可した場合では、それまでの間は代金支払い請求を猶予すると、ということですから、店員に「処分行為」があるといえるからです。

<つづく>

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