勾留阻止|暴行の事件で勾留決定後に検察官による自主的釈放を勝ち取りました。

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代表の岡野です。

先日終了した事件を一つ、ご紹介したいと思います。

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【事件の流れ】
1日目 事件、逮捕 ← 電話によるお問合せ
2日目 新件押送、勾留請求、勾留決定 ← 本人からのご依頼夜間に初回接見を行い、被害女性と示談、そのままホテルで準抗告の申立書を起案
3日目 準抗告申立て、検事の判断による釈放

【警察側の主張】
被疑者は、恋人関係にある被害女性に対し、ドメスティックバイオレンスの一環として、日頃から暴力を繰り返し、逮捕当日も殴る蹴るの暴行を加えた。

【彼女側の主張】
喧嘩になり彼氏ともめ、暴力を振るわれたことは確かだが、逮捕して欲しくて110番通報したわけではない。
駆けつけた警察官には被害届を出したくないと言ったが「手続き的に必要だから」と被害届にサインをさせられた。
また調書についても大げさに記載され、サインをしてくれと頼まれてサインをしてしまった。
彼氏が逮捕された後、何度も警察に被害届を取り下げたいとかけあったが、まったく相手にされなかった。
10日間も勾留が長引けば、彼氏は確実に職を失ってしまう。
私が何を言っても警察は相手にしてくれない。彼氏を早く外に出して欲しい。
ただの痴話喧嘩で処罰は全く望んでいない。

【コメント】
本件は、警察が被害女性の言い分を聞かず、強引な調書を作成して、勝手に事件を大きくしたケースでした。
警察は被害女性の言い分を無視したため、我々が被疑者の弁護人となり、被害女性と示談を締結して、裁判所に提出しました。
検察官は、弁護士が作成した準抗告の申立書を読み、被害女性に電話で内容を確認し、内容が正しいと分かると、準抗告の判断を待たずに自ら被疑者を釈放しました。
弁護の端緒は被害女性からの問い合わせでしたが、その後は逮捕されていた被疑者本人と接見し、本人のみから依頼を受けて弁護人となりました。

勾留決定の翌日に釈放を勝ち取った、心地よいケースの一つです。

(現場主任:松岳弁護士)