詐欺罪2 詐欺行為   アトム東京弁護士

● 詐欺行為
 
詐欺では、まず「人を欺いて」とありますから、「人」に向けられたものでなければなりません。
ということは、機械などをだましても詐欺罪にはならない、ということです。
(場合によっては電子計算機使用詐欺罪が成立することはあります。)
 
そして、この詐欺行為は、財物や財産上の利益の「処分行為」に向けられたものでなければなりません。
処分行為とは、被害者が財物を移転することです。被害者をだましてお金を得ることが詐欺罪の本質ですから、
財物取得に関係のない嘘をついても、意味がないからです。

たとえば、偽の電話をかけるなどして家人を外出させた後に、その家に侵入して財物を盗むなどのケースでは、
犯人は嘘の電話で外出させるという「欺く行為」をしていますが、
この行為はそれ自体で処分行為を目的としたものではありません。
ですから、詐欺罪については未遂も成立しません。
(別途住居侵入罪と窃盗罪が成立します。)

詐欺行為とは、相手方が真実を知っていれば財産的処分行為を行わないような重要な事実を偽ることをいいます。
ですから、ある品物の名称を偽って売ったとしても、その品質・価格に変わりがなく、
買主も名称にこだわらないで自己の鑑識をもって購入した場合には、
詐欺行為があったとはいえず、詐欺罪は成立しません。


(参照)
刑法 第246条の2 (電子計算機使用詐欺)
前条(詐欺罪)に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、
又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。
 
<つづく>

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