刑事裁判・刑事手続き 「控訴 相対的控訴理由」

● 控訴 相対的控訴理由

では、相対的控訴理由、とはどのような内容でしょうか。
これらは刑事訴訟法379条〜383条に規定されています。
簡単にいえば、絶対的控訴理由以外の控訴理由のことを相対的控訴理由というのです。

絶対的控訴理由とは異なり、ある事情があったらそれだけで控訴理由になるわけではなく、「その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであること」が要件になります。
そのようにいえるためには、「その違反がなかったならば、現になされている判決とは異なる判決がなされたであろうという蓋然性が必要」とされています。

相対的控訴理由の種類には、訴訟手続きの法令違反、事実誤認、量刑不当、再審事由、などがあります。
ちなみに、十分な審理がなされなかったという「審理不尽」を理由にする場合には、事実誤認となることもありますが、
訴訟手続きの法令違反とされることもあります。


第379条 
前2条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の違反があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。 

第380条 
法令の適用に誤があつてその誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その誤及びその誤が明らかに判決に影響を及ぼすべきことを示さなければならない。 

第381条 
刑の量定が不当であることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて刑の量定が不当であることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。 

第382条 
事実の誤認があつてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき誤認があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。 

第383条 
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることを疎明する資料を添附しなければならない。
1.再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
2.判決があつた後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があつたこと。

<つづく>

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