刑事裁判・刑事手続き 「上訴の種類」

● 上訴の種類 

今日からは、上訴について書いていきたいと思います。
上訴とは、未確定の裁判に対して上級裁判所にその是正を求める不服申し立てのことをいいます。
その種類としては控訴・上告や抗告といったものがあります。

上訴・上告は判決に対する上訴のことで、抗告は決定・命令に対しての上訴のことをさします。
本日は、「控訴」とはどういうものかについて書いていきます。

控訴は、地方裁判所家庭裁判所又は簡易裁判所がした第1審の判決に対してすることができます。
刑事裁判は三審制を採用していますが、その二審目のことを控訴と考えてください。
第1審に不服がある場合に控訴することができるのですが、不服がある場合ならどんな理由でも控訴できるのか?というと異なります。
実は、控訴ができる理由というものが定められているので、その理由にあてはまる場合のみ控訴をすることができるのです。

控訴の申立てには、?絶対的控訴理由というものと、?相対的控訴理由、というものがあります。

では、?の絶対的控訴理由、とはどういうものでしょうか。
刑事訴訟法377条・378条に規定されています。

見てみると明らかなのですが、裁判の内容について、ではなくて手続的な違法がある場合であることがわかりますね。
このような重要な手続的な違反があるということは、それだけで判決に与える影響が明らかである、といわば擬制したのです。
公平な裁判所が適切な裁判をすることが被告人の権利ですから、当然であるといえます。

第377条 
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、その事由があることの充分な証明をすることができる旨の検察官又は弁護人の保証書を添附しなければならない。
1.法律に従つて判決裁判所を構成しなかつたこと。
2.法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
3.審判の公開に関する規定に違反したこと。 

第378条 
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
1.不法に管轄又は管轄違を認めたこと。
2.不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
3.審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
4.判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。

<つづく>

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