外患誘致罪 絶対的法定刑

こんばんは。
岡野です。

★死刑 3

●最も重い罪 絶対的法定刑〜死刑しかない犯罪〜

日本の刑法上で最も重い罪が何かご存知でしょうか?
答えは外患誘致罪(刑法81条)です。
あまり聞き覚えの無い罪名かと思いますが、
なんとこの罪の法定刑には
死刑しか用意されていないのです。
外患誘致とは、外国政府と通謀して
武力攻撃をもって日本国の安全を侵害することです。
その結果として死亡者が発生しなくてもこの罪は成立し、
死刑となってしまいます。
しかしながら、外患誘致罪は非常に強権的な法規で、
且つ外交問題とも直結するために、
検察・裁判所共に適用には非常に慎重でなければなりません。
そのため、同罪状で審判した例はもちろんのこと、
訴追した例すら未だ皆無なのです。
過去において、1度だけ、太平洋戦争開戦直前に
内閣のブレーン的存在であった日本人1人を含む
ソ連のスパイ組織が日本国内で諜報活動を行った事件、
通称ゾルゲ事件に対して適用が検討されましたが、
公判維持の困難さから見送られ、
先の日本人含む主犯格の二人は、
国防保安法や治安維持法違反の適用によって
死刑に処断されました。

<明日に続く>

岡野

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